人材の採用なくして、会社の成長なし

2016年3月1日午前0時に、リクナビ、マイナビなどの大手就活サイトをはじめとした2017年卒向け採用選考情報が解禁されました。今年も昨年に続き、学生の売り手市場とされ、大手企業が大量に新卒を採用する一方で、人手不足の中小企業にとっては厳しい時期が続く模様です。その背景には、世界で戦う大手企業は、国内の景気が明らかに悪化している統計データが出ている状況のなかでも過去最高益を更新していること、そして最も人口層の多い団塊世代が引退を迎えているということがあります。

住宅リフォーム会社等の過去の動向をみると、社員が15名位を超えてくると新卒採用をはじめるという傾向があるように感じています。そして新卒を採用した結果、私の感覚では、成功しているのは全体の10%程で、残り90%は失敗、もしくは新卒の採用自体を止めているのが現状ではないかと思います。その原因は、中小企業の新卒採用は企業が成長し続けることを前提としていることにあると考えられます。というのも、一般的に新卒には約2年の教育・育成期間が必要となるため、その間は生産性が低くても給与を支払い続ける体力が企業に求められます。さらに新卒の教育・育成には後輩の存在が重要であるため、一度新卒活動をはじめると、原則として毎年採用し続ける必要性が生まれてくるのです。また住宅リフォーム業のように、ビジネスモデルで成長し続けるというより、人の力に依存するビジネスで、かつ成熟産業であるが故に簡単には売上を伸ばし続けることが難しい状況下で、新卒を活用するのはとても難しいということも原因の一つでしょう。

新卒採用には、社会の悪い癖が付いていない優秀な若者を大量に採用できるというメリットと、約1年後の採用のために今活動しなければならず、会社の利益の状況次第で簡単に採用人数を変更することができないというデメリットがあります。一方で、中途採用のメリットは、必要なタイミングで必要な人員のみを採用できること、そして社会の矛盾を理解し、自らのできること、できないことを把握した上で入社してくるので、退職率が低いことだと思います。デメリットは、優秀な人材ほど転職市場であまり流動していない、もしくは会社を辞める前に既に他の会社に決まっている場合が多いため、優秀な人材との出会いの確率はかなり低くなるということでしょう。

どの業界のどの会社にとっても、成長し続けるためには、人材の採用は絶対条件となります。しかし、誤解を恐れずに言うと、塗装業界で喜んで働きたいと思っている人は極めて稀で、多くの中小企業が採用で難しさを感じる以上に、塗装業界での採用は極めて難しいと言えるでしょう。特に優秀な人材となると尚更です。その中で、優秀な人材を採用したいのであれば、注目すべきは「女性の活用」だと考えます。結婚し、子供が小学校に入学するあたりから、社会復帰を目指す女性は多いと思います。

近所で時間の融通が利くのであれば、塗装業界といえども、喜んで働いてくれる優秀な人材はいるはずです。女性が気持ちよく、やりがいをもって働ける環境を作れば、継続的な採用も可能となるでしょう。しかし男性営業マンに関しては、ウェブや採用媒体に掲載しても難しい状況が続くと思われます。そこで、社長自らが知り合いに声を掛ける、居酒屋で横に座った人に声を掛ける、会社に出入りするあらゆる人に声を掛ける、など自ら口説くのが最も有効だと考えます。

人材の採用なくして、会社の成長なし。難しいテーマですが、避けて通れない道であることは間違いありません。