次世代のキーワードは「高品質&低価格」

昨年は、世界的な資源価格の高騰およびアベノミクス効果の中で、

インフレの兆候が現れ、一部の優良企業が価格を上げ始め、そしてその多くは業績を伸ばしていました。しかしながら、昨年の年末より中国経済の急減速、資源価格の急落などの世界動向の影響、またアベノミクスの息切れか、日本国内における消費者物価指数も上昇することなく、インフレの懸念はほぼ無くなってきているようです。

例えば、ユニクロは価格を度々上げ、その結果、売上が急落していると言われています。ラーメンの幸楽苑でさえ、価格を上げてから売上が低迷しているようです。また、牛丼業界では価格を一度上げたものの、再度、価格を下げてきました。

そして、いよいよ塗り替え業界にも低価格化の波が確実に押し寄せているように感じます。もともと高単価商品を販売していた訪問販売会社やハウスメーカーなどは、以前と比べて全体的にかなり価格帯を下げてきたように感じます。また「新築そっくりさん」で一世を風靡した住友不動産が、今度は、価格帯を下げた外装パック商品をリリースするという事実は、一つの転換期の象徴と言えるかもしれません。住友不動産の動きは業界にそれなりに影響を与えていくでしょう。
塗り替え市場の最大の顧客層となる団塊世代は今も健在で、良質なものにはお金を出す層は確実に存在します。しかし今後、この層が徐々に減っていくことは間違いなく、段階的に次世代へとバトンタッチすることになります。
ここで次世代の消費動向を注意深く考えると、「高品質&低価格」というキーワードが浮かんできます。次世代とは主に40代後半から50代になると思います。この世代は、デフレ時代に社会人として育ち、賃金はさほど上がっていないものの、物価が下がっていたために、そこそこ豊かに暮らしてきた世代になります。インターネットによる情報化社会の中であらゆる情報を得る力を持ち、そして保有するほとんどのモノに対して“いい物をより安い価格で購入する”ことを習慣としています。そして、ローコスト住宅の急拡大や売れる車のサイズが段々小さくなってきた時代の立役者とも言えます。
つまり塗り替え市場においては、最大の顧客層が団塊世代から次世代に移行する中で、大きな価値観の変化が生まれることは間違いありません。この変化に対応できるよう今から準備をしなければならないでしょう。
そこで、まず重要となってくるのが、現在の最大の顧客層である団塊世代のニーズに応えられる品質をきちんと作っておくことです。その品質とは、「商品力・工事力・会社の信用・営業品質・組織力」全てにおいて自らの地域でNo.1であるということです。そもそも、中小の弱小企業は現在の団塊世代の顧客層に対して、高単価・高品質のサービスを提供し、高粗利を獲得することでしか、成長することができません。仮に今から価格競争の波にのまれたら、会社の生命である粗利を稼ぐことができず、自転車操業に陥ってしまうでしょう。とことん粗利にこだわり、確実に利益を確保し、最高の品質を目指していくことのできる会社が、本当に強い会社になるのです。
そして世代交代にあたっては、その変化のタイミングを絶妙に捉え、自らが作り上げた「高品質&高価格」の“高品質”を維持しながら、あらゆるものを効率化させ、粗利を確保しつつ「高品質&低価格」に移行していくのが正しい流れだと考えます。
低価格&低粗利の会社が高品質を求めることは不可能です。したがって、今はひたすら高品質のサービスを提供できる体制を社内に構築し、根付かせることが先決です。
世代交代は絶対に変えられない未来です。その未来を見据え、準備することができれば、明るい未来が待っていると考えています。