塗装の成約率について

最近、住宅塗装の成約率が下がってきているという話をよく聞きます。

塗装ビジネスを行なう上で、集客、売上単価、粗利などあらゆる複雑な要素が絡み合う中で、会社への最も大きな痛手は「成約率が下がること」です。

一つ事例を挙げますと、毎月10件の案件があり、売上単価140万円、粗利35%の場合に成約率が60%から50%に下がった時の金額を比較してみました。

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販促費用や人員を増減させるわけでもなく、クロージングにおける営業の知識やスキルの違いだけで、年間で約1,700万円の売上と、600万円程の利益の違いが出てきます。この数字を見れば、成約率が経営に最も影響する要素であることは明らかです。

最近、多くの企業で成約率が下がっているのは、市場の競争が益々激化しているからでしょう。競合相手の数が増え、競合相手の知識やスキルも明らかに向上しています。この事態に立ち向かうには、競合相手の知識やスキルの向上を上回る努力をする他ないでしょう。しかしながら、営業が必死に努力しても、成約率が上がらないことが多々あります。その根本的な原因は、会社の方針もしくは営業の考え方に問題があると思っています。

市場の競争が激化しているということは、塗装を営業する会社が増えているということです。そして、参入する会社数に比例して、塗料メーカーは新商品を多数リリースさせ、機能や性能は益々多様化していきます。その結果、消費者はもちろん、塗装のプロであるはずの営業すらも付いていけない程の多種多様な塗料が存在することになります。そして営業は自社の推奨塗料と、競合他社の扱う塗料との戦いに常に迷い、彷徨ってしまうのです。

 

営業は持つ武器を絞らないと成約率は下がる

今、世の中には、商品が溢れかえっています。数多くの機能や性能、メーカーが乱立し、余りにも選択肢が多過ぎるために、お客様が自ら選択できない時代となってきています。だからこそ営業の存在価値があるのです。

成約のプロセスから考えると、塗装のプロとして、塗料・塗装のあらゆる知識をもち、提案する塗料について一通りの説明ができなければ、お客様からプロとして信用されることはなく、成約率が上がることはあり得ません。営業が絶対的な自信をもって、商品に対する想い、愛情等を理解してもらえるストーリーで説明することで初めて、お客様の共感を得て、「この塗料が欲しい」「この営業が提案する塗料にしたい」「この営業に塗装工事をお願いしたい」と思わせることができます。そしてその結果、成約率もしくは利益率を上げることにつながるのです。

特に差別化塗料で高単価・高粗利・高成約率を実現するためには、提案する塗料を絞り、塗料を提案する背景、理由、効果などを徹底的に考え、ストーリーにして提案することが有効でしょう。このストーリーは社会的にもお家のメンテナンスという観点でも理にかなっていなければなりません。かつストーリーには経済的合理性が必要です。また塗料に対する営業としての想い、愛情を示さなければ、お客様は性能と価格との相関関係で塗料を選び、成約率と利益率を下げてしまいます。すなわち営業の塗料に対する情熱の量が、成約率を上げ、利益を高く維持できるという結果になるのです。