2020年を見据えた展開

2015年が終わり、2016年を迎えようとしています。

毎年、この時期になると、1年があっという間に終わることを残念に思いながら、多少の後悔とともに、来年の展開を想像することになります。“来年こそは”と思いながらも、単年ベースで考えれば、実際にできることは限られており、また、やるべきことは目の前の仕事に今まで以上にしっかり取り組むこと以外に何も無いのが現実ではないでしょうか。
しかし、今、目の前にあることに今まで以上に取り組むだけで、未来が明るいかというと誰も同意はできないと思います。大局的な視点で考え、未来のために同時並行で投資を進めていかなければなりません。

2015年、日本全国の塗装会社を数多く訪問して痛切に感じたことがあります。それは、業績を伸ばしている会社は明らかに職人不足に陥っており、職人が不足しているが故にさらなる売上を伸ばせずにいるということです。職人の人数分しか売上が上がらないという現実に直面している会社は、とても増えたと思います。
職人不足は、業界のピラミッドの頂点に立つスーパーゼネコンから始まり、業界の隅々まで行き渡ったという印象を持ちました。この流れの中で、今まで下請けが嫌で元請けに転換してきた塗装会社の中には、再度下請けの魅力を認識している会社も多いように感じます。下請けの状況も、あらゆる要求をされて、価格も底辺まで下げられてきた過去の状況からは明らかに変わり、単価も上がり始め、また無理強いさせられるような要求もほとんど無くなってきたようです。そうなると、元請けになり集客から営業マンの管理にいたるまで、様々なことで悩まされるより、下請けに特化した方が良いという話も耳にするようになりました。
しかしながら、景気は必ず上下します。2020年以降、ゼネコンが今のように絶好調かと言うと、かなり疑問があり、また下請け叩きが始まることも十分考えられます。

2020年を見据えると、塗装業者として下記の4つのポイントが重要になると思います。
① 景気の変動に耐えうるために、塗装業務の範囲内で複数の収益の柱を持つ
② 塗装においては、元請け、下請け共に地域一番店を目指す
③ ある一定以上の売上規模を持ち、社員を抱え組織的展開ができるようにする
④自社職、外注問わず、職人の育成体制が社内で構築されていること

複数の収益の柱を持つことで、景気の変動にも常に対応できる強さを持てるようになると思います。そして、複数の柱を持つためには、ある一定以上の売上を作り、必要な人数分の職人を抱える必要があります。なぜならば、職人を抱え組織的展開ができるようにならなければ、顧客ニーズや季節変動などにも対応できないからです。採用は、原則、一極集中するため、良い会社には選ぶほどの職人が集まり、それ以外は採用に苦労することになるでしょう。
だからこそ、地域一番店になることにこだわり、必要なタイミングで職人の採用ができる会社しか成長し続けることはできません。職人不足が顕著になる中で、多くの優良な職人を抱える会社に益々仕事が流れ込んでいくのは自然なことです。また職人の育成体制の構築も地域一番店という組織力を有する会社にしかできないので、さらなる強みになるはずです。

新しい年を迎え、今やるべき目の前のことを、手を抜かずに、一生懸命行なうことは当然ですが、もう少し長い目で見て、未来に向けてやらなければならないことを同時並行で行なうことも、さらに重要だと考えています。